インタビュー・成功事例

旅行業経営者インタビューや業績を伸ばしている旅行会社の成功事例をご紹介

旅行は作品!美食ツアーでアジアNO.1を目指す旅行会社がこだわる、チームワークと旅の価値

株式会社 TEAM TRAVEL KURAMOTO
社長 蔵本 倫大様

(株)TEAM TRAVEL KURAMOTO(チームトラベルクラモト)は、大阪市中央区にある第三種の中小旅行会社。スイーツ・料理研修やスペインバスクの旅といった、料理・お菓子に専門特化した商品を主に販売しておられます。そこで今回、専門特化を図る企画旅行の展望と、チーム(組織)のあり方や業界として変化すべき姿についてお話を伺いました。(対談日:2016年2月13日)

(株)TEAM TRAVEL KURAMOTOは、どのような旅行会社ですか?

弊社は主に、団体向けに旅行を企画販売している旅行会社になります。
「単に楽しむだけの旅行」ではなく、

『旅で見つけた宝物が人の未来を創る』という会社の理念に沿って、

参加者様がその旅行を通じて、

「将来の夢や目標に近づいたり、具体的な刺激を感じることができる旅行」になることに

重きを置いたツアーを考案しているのが特徴です。

 

例えば、料理・お菓子学校の学生が料理の本場である

フランスを巡るツアー企画などを通じて、

「学生様の夢や願いを叶えるお手伝い」をさせていただいております。

 

一般的な慰安旅行を企画する場合は、単に楽しいだけの内容ではなく、

社内のコミュニケーションを円滑にするための内容を組み込んだり、

その会社様にとっての「目的・目標の達成」を念頭に置いたツアーを企画実施しています。

 

そのようなツアーを企画する際に、我々が重要視している考え方は、

「とことん“顧客志向“でツアーを企画する」ということです。

その結果、利益は後からついてくると思っています。

 

ですから、企画のための事前準備(下見)はかなりしっかり行います。

万人受けするような企画は目指していません。

特定の分野に携わっている方や、興味関心のあるお客様だけに対して、

その方々に厚くご支持いただくような内容でツアーの設計を行っているんです。
そういった意味で私は、自分が企画する旅行のことを

「“商品”ではなく、“作品”」だと考えています。

会社名がとても特徴的ですが、どのような由来や想いが込められていますか?

会社名を決めるにあたって、

(1)他の旅行会社にはない会社名にすることと、

(2)自分(※蔵本社長ご自身)の名前を会社名に入れることにしました。

 

あと、自分達だけでなく、お客様や関係業者の方、仕入れ先の方をも巻き込んで、

「チーム」としてお客様に“最高のツアー”を提供したいという想いを込めて、

「チームトラベル」という会社名に決めました。

 

なので、お客様だけでなく、関係業者や仕入れ先の方々にも喜んでいただけるツアーを企画するために、日々奮闘しています。
ただ、そのような考え方でツアーを企画する旅行会社が少ないせいか、

関係業者や仕入れ先の方々からは、「(株)TEAM TRAVEL KURAMOTOは変な会社ですね」と、よく言われます。(笑)

それでも、個人的には「普通」がとても嫌いなので、

変わった会社だと言われることには喜びを感じています。(笑)

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なぜ、料理・お菓子に専門特化したツアーを企画しておられるのでしょうか?

料理・お菓子に特化することを決めたきっかけは、

自社ツアーでお客様と一緒に、スペインのバスク地方に訪れたことでした。

そのツアーで、バスク地方の世界一の美食の街、サンセバスチャンに訪れた時に、

料理・お菓子が好きになってしまいました。

 

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僕が大好きな、このサンセバスチャンという街は、

15年ほど前に、観光客を増やすための街おこし策を考えていたんです。

 

そこで、なんとか料理から観光客を増やせないかなと考えた

有名レストランのシェフが発起人となり、自店の得意メニューのレシピをお互いに公開したところ、

なんとそれがきっかけで、街中のレストランが

美味しい料理を提供するレストランへと生まれ変わったんです。

 

そしてそこから、街中で多くの料理コンクールが開催され、

その度に美食料理が生まれたり、明確なコンセプトを掲げている店舗が多く生まれたり、

低価で美食を楽しめる店舗が生まれたりするなど、

料理を起点にサンセバスチャンが街として新しく生まれ変わったんです。

 

そして今では、人口に対するミシュランの星の密度が世界一高くなって、

『世界一の美食の街』と評されるようになり、観光客数が増えました。

いやー、この話には感動しました。

 

このサンセバスチャンの街おこしストーリーを知って、

「せっかく旅行会社をやっているなら、単なる旅行ツアーじゃなくて、

地方自治体をも巻き込んで、街おこしに貢献できるようなツアーを自分達が作っていきたいな!」

と強く感じました。

 

そこで、地方自治体の方に向けて、サンセバスチャンへの視察ツアーなどを通じて、

そのツアーに参加してくれた方に日本国内の地方の街おこしをしてもらいたいなと願っています。

そして、その新しく生まれ変わった街を広くアピールする一手を担うような

旅行会社にウチがなりたいなと。

 

実は、過去に自分自身が料理やお菓子に没頭して深く追求したことを、

ツアー計画に組み込んだところ、ツアーのご参加者様に非常に喜んでいただいたことがあるんです。

なので、今後も、どんどん追求してツアーに組み込んでいきたいです!

専門特化したツアーの参加者様からは、具体的にどのようなお声をいただきますか?

参加者様からは、

「普段はなかなか行けないような場所に行けたり、

また普通ではお会いできないような人にお会いできたので、とても満足しています!」

との嬉しいお言葉をよくかけていただきます。

 

我々は、ツアーのご提案を通じて、単なる受け入れ先をお客様に手配しているのではなくて、

「環境を手配させていただいている」と考えています。

 

だから、先ほども申し上げましたが、お客様にツアーを通じて

刺激や気づきを得てもらえるための「環境作り」にはかなりこだわっています。

 

「ツアーを通じて提供させていただく環境が、“本当に”お客様のためになるのか」

「ツアー参加者様の技術や知識が伸ばせるのか」

 

例えば、学校のツアーですと、参加した生徒様のレベルが上がり、その学校の志願者が増えないか。

会社様のツアーですと、社内のコミュニケーションを深めて、円滑に仕事が進み業績が上がらないかと。

そこまで”何度も何度も何度も“考えて、弊社ではツアー作りに徹しています。

 

そんな努力が、嬉しいことに、先ほどのツアー参加者様からのお声にも

反映されているのかなと感じています。

 

ちなみに、専門的なツアーを販売することには、どのようなメリットがありましたか?

まずは、リピート顧客が獲得しやすくなりましたし、あと営業先の方向性も明確になりました。

他には、今までなら断られることが多かったツアー営業を、

先方が積極的に受け入れてくれるようにもなりました。

 

また、専門分野に関してお客様が知っていることと自分が知っていることとの差が

少しずつなくなってきたことで、今まで以上に、

よりお客様との関係性が密になったと実感しています。

 

そのような感じでツアーを計画してご提案させていただいているので、

自分自身が十分に知らない分野のツアー手配をお願いされた場合には、

一度自分自身で勉強してからご提案させていただいています。

 

やっぱり、ここまで徹底した専門特化型ツアーを企画・ご提案させていただくことこそが、

自社ツアーへのリピート獲得に大きな影響を与えているのかなと思います。

今後は、どのようなツアーを企画していきたいとお考えですか?

弊社では、これからの時代は、「旅行会社の国境の概念がなくなる」と考えています。

要するに、日本を起点としたアウトバウンドやインバウンドといった発想でのツアー計画じゃなくて、

日本国外から日本国外への外国人向けツアー計画を、

日本の旅行会社が請け負うという発想が必要になるんじゃないかなということです。

 

そこで弊社では、日本から距離が近いアジア圏から料理の本場であるフランスへの

料理・お菓子を素材としたツアーを、アジア圏に住む旅行者に販売する事業を

本格的に進めていく必要があると考えています。

 

まさに、料理を素材としたツアーを、世界の旅行者に販売していくことで、

料理から世界を変えたいなと。

弊社では、本気でそのように考えています。

 

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今後の取り組みに向けて、社内・従業員にはどのような変化を求めていらっしゃいますか?

具体的な変化としては、「2018年から社内では公用語を英語」にします。

それに向けて、すでに自発的に始業時間前に出勤して英語の学習を実施している社員まで出てきています。

 

他には、サンセバスチャンについてもっと知らないといけないなと。

今はまだ、日本の旅行会社の中で、

自他ともに認めるサンセバスチャンのことを日本一“好きな”旅行会社ですが、

今後は、サンセバスチャンに関して日本一“知っている”旅行会社になりたいと思います。

なので、まだまだこれからもサンセバスチャンについて勉強していきます!

 

ちなみに、今の弊社は、「お客様が何に困っているかを追求し続けた結果」だと思います。

なので、今後も、お客様が困っていることや出来ないことの実現を常に追い求めていきたいと思います。

最後に、今後に向けての意気込みと、社長の夢や目標をお聞かせください

これは業界全体に向けての提案でもあるんですが、

「労働環境を整備することで、夢や高い志を持った優秀な人財を活かす

旅行会社・業界を作っていきたい!」ということです。

そこで、まずは自社から取り組んでいきたいなと考えています。

 

あとは、国のためにも、従業員自身のためにも、

今後はどんどん弊社からも独立者を輩出したいと思います。

なので、独立心を持った方にどんどん入社してほしいと考えています。

だって、そっちの方が、色々と教え甲斐もありますし。

 

あと、これは個人的な願いなんですが・・・

弊社から独立する方が「チームトラベル●●(※チームトラベル田中 など)」という屋号で、

旅行会社を起業してくれることで、「チームトラベルグループ」を作りたいと考えています。

 

そして、時々みんなで集まって情報交換などをしながら、

「チーム」として、お客様に最高のツアーを提供することが将来の夢です。

インタビューを終えて/船井総研 寺嵜

顧客の玄人化が進む旅行市場で、顧客志向に基づく専門特化型ツアーを取り扱う株式会社TEAM TRAVEL KURAMOTO。

 

「顧客が困っていることは何なのか、それを追求し続けた結果が現在です!」という蔵本社長のご発言通り、

顧客志向を貫く姿勢こそが、これからの時代に中小旅行会社により強く求められる基本姿勢だと感じました。

 

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