インタビュー・成功事例

旅行業経営者インタビューや業績を伸ばしている旅行会社の成功事例をご紹介

インバウンド市場獲得の鍵は地方×FIT

やまとごころ
代表取締役 村山 慶輔 様

【インバウンド直球型のプラットフォーム】をコンセプトにワンストップインバウンドに関する情報を発信している、㈱やまとごころの代表取締役村山氏。2020年の東京オリンピック開催が決定してからインバウンド市場への動きは一気に変り、今や観光業界のみならず、数多くの業界が無視することのできない市場となっている。そんなインバウンド市場を獲得していくためには、“どこに着目するべきなのか・何から着手するべきなのか”やまとごころ誕生からの軌跡を基に、マーケティングという観点から村山氏の見解を伺った。
(対談日:2014年4月11日株式会社やまとごころ本社にて。)

やまとごころ.jpのご紹介

image5インバウンド観光に携わる企業・自治体の皆様を対象に、インバウンド観光に関する有益な情報やビジネスマッチングの場を提供する日本最大のプラットフォーム。

情報発信
・Webサイト、主催セミナー

特徴・強み
・インバウンドに関する圧倒的な情報量
・インバウンドに関心を持つ法人会員数
・イベント開催による密度の高いネットワーク

やまとごころのビジョン
・インバウンド事業に取組む事業者にとってNo.1の情報ソース且つNo.1ビジネスプラットフォームを目指し、日本のインバウンド活性化を行う。

やまとごころが誕生した理由。

――株式会社やまとごころ創業のきっかけとエピソード

グローバルで活躍したいという思いがあり、大学でアメリカに留学したことがきっかけですね。そのときに日本の3つの課題を感じたのです。1つ目は「自分自身があまりにも日本のことを知らなさ過ぎだということ。」2つ目は「同世代の外国人はみな自己主張ができている。」3つ目は「日本の現状における正しい情報を海外に発信していきたい。」この3つですね。

そして企業したいと考えていましたので、経営に関して勉強しようとアクセンチュアに就職しました。アクセンチュアでは主にITの分野において知識を付けました。そして2006年、日本と世界をつなぐ仕事という観点で考えたときに自らのスキルを考慮すると、語学とWEBとITを掛け合せてポータルジャパン株式会社を設立しました。さらに翌年の2007年にやまとごころを創業しました。

やまとごころの創業に関しては、もともと観光に興味関心があったという点が大きいですね。日本の魅力は豊富な観光資源だと思っていましたが、それが上手く海外に発信されていなかったのが残念だと感じていました。しかし私自身は観光に関して学んできたわけではないので、自分自身も勉強するための情報が集まる仕組みを作りたかった。マーケットを見渡したときに、国内においてBtoBでインバウンドの情報をワンストップでやっている企業・団体がなかったので、やまとごころのようなサイトを立ち上げようと思いました。そしたらその瞬間からオンリーワンでナンバーワンになれると思ったんです。

――ポータルジャパンという会社とは?

主にWEBマーケティングのお手伝いをしている会社です。サイトの構築からはやっていませんが、既存のサイトをインバウンドに適用させたりプロモーションをメインの事業としています。英語などの多言語でのリスティングやSEO、サイトの改善までをマーケティングという側面でお手伝いしています。

 

やまとごころというプラットフォームとは

――やまとごころというプラットフォームとは?

大きく3つのセグメントでやっています。

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このプラットフォームの一番大きなパイは観光事業者で、インバウンドの市場動向などを発信することで価値を提供している。他にも観光業界に関する様々な業界誌はありますが、インバウンド直球のものはないんですね。そこをワンストップで収集し発信することができるようになっています。これがやまとごころのコンセプトになっています。

サイトだけではなく2009年から年間20~30のセミナーを行っている。通常は30名の規模から大規模になると500名集客するような規模のものもあります。

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【今年開催のセミナー バックナンバー  (14.4/15現在)】

Webだけでは情報発信が弱くて、アナログで伝えることで伝わりやすくなり地道にリアルでやっていることが評判の良さになっています。その中でリサーチの仕事やビジットジャパンキャンペーンなどをやっていて、これがメイン事業となっている。セミナー内容は、プロモーションの話がメインです。 「国別」と「業種別」の主に2つの切り口でインバウンド市場の状況を解説しています。

――リサーチやコンサルティングの依頼

やまとごころがハブになることで的確なパートナーを集めることができるので、実行する案や施策の深さのレベル感が多岐に渡ります。そういった点を評価いただいている。やまとごころ自身は具体的に、戦略の構築や、アンケートリサーチの実施などを中心にサポートさせて頂いているとが多い。

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――旅行会社や旅館との関係

接点が非常に多く、情報交換を頻繁に行っている。パートナー的な関係でお付合いさせていただくことが多です。アジアインバウンド振興会、AISOの理事をやっていることもあり、多くの旅行会社さんと様々な取組みを考えてます。
当社としてはWebマーケティングで旅行会社さんのお手伝いをしますが、そこはポータルジャパンの領域になります。

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具体的にはWebマーケティングの一環として、サイトをインバウンドに適用させる形でお仕事させていただくことがあります。例えば多言語のWebサイトの製作と多言語化による差別化の図り方などのSEOやリスティングを行いますね。

ほとんどのお客さんには先ずリスティング対策から行うことが
多いです。やはりリスティングは即効性がありますから業績に直結しやすいのです。そこからSEOやメールマガジンなど、サイト改善に取り組む流れが多いですね。

他にはプロジェクトという形で関わる事もあります。クライアント様に合った企業さんやパートナーの紹介・仲介というイメージです。そのときにやまとごころが入ることでメリットが生まれるようでしたらプロジェクトチームを形成してやりますが、うちが入る必要がない場合は紹介をしてお繋げするだけのときもあったりと、ケースバイケースです。

インバウンドの情報を得る

――やまとごころさんとお付き合いする意味のある会社

旅館や旅行会社はそもそもインバウンドに対して予算を組んでいなかったり、割いていないところが多いというイメージがあります。そういった企業さんとはお付き合いしてもあまり意味がないのかな、という印象です。

たとえば今は百貨店さんとお付き合いをさせて頂いてますが、インバウンド事業をしっかり立ち上げて進めています。そういった企業さんとはセカンドオピニオン的な存在でお付き合いすることもできますね。インバウンド市場の動向を基に、いろんな提案をさせていただいている。多店舗展開している企業さんや中規模からそれ以上でやられている企業さんとは愛称がいいかと思います。

しかし、インバウンドの本質はなんと言っても地方の活性化にあると考えていますので、地域思考で頑張っておられる企業さんには、ぜひ情報を発信したりお手伝などをしていきたいと考えてます。

ひとつの基準として売上構成比が10%以上あればインバウンドの事業としてみることができるかなというイメージです。それくらい重心を置いて取り組んでいる企業さんにはメリットを提供できると思います。今は2020年の東京オリンピックが決まってからは確かに流れが変わりましたから、そういった企業さんは増えていますね。

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※アジアの外国人旅行者数の推移と現状

インバウンド、先ずはこれから取り組む。

――インバウンド市場をつかむポイントはとは

皆さんネックになっているのはインバウンド客と日本人客の比率の部分ですかね。売上比率と今後の伸び率を考えたときに「どうしようか」という点でよく悩むようです。インバウンドをやりたいと思っていても振り切れてない企業さんが多いと感じます。

国内でいち早く免税に着手したラオックスさんは完全に振り切っているのですごくわかりやすいですよね。破綻しましたが免税という点で突き抜けていましたので強みが活かせていました。やはりバランスを見てしまうと難しく感じそうです。

――最初にやるべきことはこれ!

最初にやるべきことは。。。やまとごころのセミナー来てください!(笑)それは冗談ですが。ドンキホーテさんの話はよくします。2008年からインバウンド事業やってきて、当時は10億円、今は300億になって30倍になっているんです。中村氏とはよくセミナーでご一緒させて頂いていますが、それで先ず中村氏が何をやったと思いますか?中国に直接行ってきたというのもそうなんですが、結局先ずは地図を見ることから始めたんです。

外国人がどうやってくるか、どうやって日本を観光して行くかというとやはり地図を見てくるんですね。海外から呼んで来るっていうのもあると思うんですけど、先ずは日本に既に来ている外国人観光客をどう誘導するのか、考える方がいいと思います。ありとあらゆる地図を引っ張り出して、足回りの導線を作ったり、ポップやチラシを多言語に対応させることや決済の方法を対応させるというと。それだけでも十分インパクトは出ますし、利用していただけるようになります。

そこまでできて初めて、がんがんアクセル踏んでいくっていうイメージですかね。わかりやすい指標の一つとして、東京を観ることです。インバウンド客が1万人に増え、更にオリンピックの開催が決まった今、東京には沢山観光客が来ているという現状があるわけです。そこにきている観光客をどうやって引っ張ってくるかを考えるという手も、即効性があって難易度も低いかと思いますね。

【ドンキホーテ インバウンドビジネスモデル】

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費用対効果を考えると先ずはそれがいいかも知れません。“アナログ接近戦”という感じですかね。そのためには現場も変わらないといけません。外国人観光客の一番のクレームは、実は「日本の店員に無視される」ということです。それが事実かは置いておいて、外国人観光客はそう感じているという現実があります。お客さんとしてあまり相手をしてもらえていないと感じています。要は日本人が、外国人観光客に話しかけられるのを怖がってしまい、ちょっと一歩引いた対応をしてしまっている。話しかけないでほしいオーラが出てしまっているんですね。そこに対応すること、または対応の提案をしていくことが大事だと思います。こういった小さな対策とをコツコツしていくことが大切です。

インバウンド市場の現状とは。

――インバウンドの現状はここに着目せよ!

短期の取り組みよりは中長期の取り組みを考えることが大切ですね。トレンドは“個人化”ですのでそこも考えるべきです。今後地方はもっとインバウンド化が進むと思います。昨年台湾の旅行博にいったとき、日本地図を使って面白いアンケートをとりました。青のシールは日本で行ったことがある地域。黄色のシールは今後日本で行ってみたい地域。そうすると黄色のシールがなんと日本全体に貼られたんです。しかもその行きたい所一つ一つをしっかり理解して貼っていました。例えば「四国の直島にある美術館に行きたい」などと言った声もありました。今後はもっともっとこういった傾向は進むと感じています。タイでは、東京、大阪、京都以外を紹介する番組が放送されているほどですよ。

もう日本人よりも詳しいですからこれはすごいことですね。だから彼らが何を求めているのかというと、交通機関、アクセスなのです。成田と関空はどっちが早くて安いのか?みたいな質問が圧倒的に増えてくると思います。

あとはターゲットですかね。数を取るか質をとるかも見極めなければなりませんね。ボリュームの話になると次はインドネシアになりますが、質という面でどれだけお金を落としてくれるかで見ればロシアが圧倒的です。中国人も平均20万使うと言われてますが平均値はあくまで平均値で中国の場合は触れ幅が大きいだけなんですね。中国人にもっと買ってもらうにはどうしたらいいのか。ということを考えるといいかも知れないですね。

――Webとリアルの両面からサポート

先ずはインバウンドの魅力をWebとリアルの両面から提供していることです。提供した情報から頂く相談に関しては、じゃあ何から始めたらいいのか、現状のステージや取り組みに応じて情報を提供することができるかなと思います。インバウンド直球でやっている企業さんがいないのでそこに関しては自身がありますし、しっかりサポートもさせて頂いてます。後はセミナーも地方でも多く開催しております。

まとめ

まとめ1 │ インバウンド市場の情報を得る
■ インバウンドの本質は地方の活性化にある。
■ 先ずは日本に既に来ている外国人観光客をどう誘導するのかの情報が大事。

まとめ2 │ 外国人観光客の現状
■ 外国人観光客は、日本の店員の接客に不満を抱いてる。
■ 旅のトレンドは“個人化”。今後インバウンド化は地方へと進む。
■ ボリューム市場はインドネシア、質の高い市場はロシアと中国。

まとめ3 │ 先ず取り組むこと。
■ 短期の取り組みではなく、中長期の取り組みで考えることが重要。
■ 求められているサービスは、交通機関、アクセス。